在庫・発注中・発注予定を見える化し、販売計画に活かす運営モデル

楽天市場の運営において、在庫管理は利益・売上のすべてに影響する最重要領域である。しかし多くの店舗では「販売計画」「在庫」「発注」「発注予定」が連動しておらず、結果として“売り切れロス”や“在庫過多による資金圧迫”が発生している。特に季節商材では、このズレがそのまま利益損失に直結するため、在庫の見える化と計画管理の精度を高めることが極めて重要になる。

在庫運営で最も重要なのは、販売計画(①)と在庫・発注中・発注予定(②)が一致している状態を維持することである。理想は「①=②」であり、販売計画通りに在庫が確保され、計画した数量が予定通り売れていく状態である。この状態では、欠品による機会損失もなく、在庫過多による資金圧迫もなく、最も効率的な運営ができる。しかし実際には販売実績のブレや競合状況の変化があり、①と②に必ずズレが生まれる。したがって、このズレを早期に発見し、即時対応できる仕組みが必要となる。

まず、①<②のケース、つまり“在庫過剰”となる場合の問題点と対応策を考える。このケースは、当初予定していた販売計画より実績が途中で下回ってしまい、在庫が余ってしまっている状態である。特に季節商品では、この在庫過剰が致命的になる。シーズンを過ぎれば需要が一気に落ち込み、値崩れするため、結果として利益が削れる。さらに、資金面においても在庫過多はキャッシュフローを圧迫し、次の発注に影響が出る。

在庫が過剰と判断した場合、①の販売計画を即座に修正し、
・クーポンやポイントで一時的に成約率を上げる
・広告(RPP、クーポンアドバンス)でアクセスを入れる
・セット販売や同梱商品を増やして客単価を上げる
・季節訴求をLPとサムネイルで強化する
など、販売スピードを引き上げる施策を迅速に行う必要がある。“在庫を売り切るための施策”という視点よりも、“在庫に利益を残したまま販売速度を取り戻す施策”を検討することが重要である。

次に、①>②のケース、つまり“在庫不足”となる場合である。これは当初想定していたよりも販売計画が上振れし、販売スピードが計画を超えている状態である。一見すると良い状態に見えるが、在庫が不足していると販売機会を損失し、検索順位も停滞しやすくなる。楽天市場では欠品=販売実績が積めない期間が発生するため、欠品期間が長くなるほど検索順位は下がり、復活までに多大な広告費が必要になる。つまり、売れすぎることもリスクである。

この場合、早い段階で②の発注・発注予定の数量を増やす必要がある。発注リードタイムが長い商品ほど、在庫不足の影響は致命的になるため、在庫着地点を見ながら
・発注前倒し
・緊急発注の判断
・価格調整による販売速度コントロール
を即時に行うことが必要となる。販売計画が上振れしている商品は、利益も取りやすい状態であるため、多少価格を上げて販売速度を調整しながら、欠品を避けるという手法も有効である。

こうしたズレに迅速に対応するためには、「在庫・発注中・発注予定」をリアルタイムで見える化し、毎週・毎日レベルで①と②を照らし合わせる運用が必要となる。特に季節商品は販売ピークが短いため、優先順位を高く設定すべきである。季節商品の在庫ズレは即利益損失につながるため、常に最新の在庫見通しを持ち、在庫切れや在庫過多を防ぐことが運営の生命線となる。

季節商品の場合、①と②のズレが発生する前に“兆候”を察知することが最重要である。販売速度が計画を超えている場合は早期に発注増、計画を下回っている場合は広告や価格の調整で速度を戻す。この小さな修正を繰り返すことで、在庫リスクを最小化し、利益最大化につながる。

結論として、
・在庫・発注中・発注予定の見える化は、利益の源泉そのもの
・季節商品は最優先管理対象
・①と②のズレは必ず起きる前提で、ズレを早期に発見する運用が必要
・①<②は在庫過多 → 速度調整(CVR改善、広告、価格調整)
・①>②は在庫不足 → 発注増強・速度調整(値上げなど)

このサイクルを回すことで、在庫リスクを抑え、販売機会損失を防ぎ、限界利益を最大化する運営が可能になる。

研究レポート

Posted by takahiro